信州の伝統野菜、南信州・下伊那郡阿南町和合(わごう)地区鈴ヶ沢集落のおばあちゃんのところへ出掛けてきました。
私の著書『クボジュンが出会った 南信州を彩る伝統野菜』でも紹介していますが、鈴ヶ沢集落には、なす、うり、南蛮と、信州の伝統野菜に選定される3つの伝統野菜が現存し、その種を守ってきたのがこのおばあちゃんです。おばちゃんは著書にも登場してくれています。
今春の土砂災害により、鈴ヶ沢集落への道が寸断されてしまい、現在は隣の売木村経由でなくては行けないため、まずは売木村へ。
売木村のお食事処「ありがとう」では、ちょうど鈴ヶ沢なす定食が始まったところでした。今年は好天で例年より早くメニューに登場です。毎年、大人気なので、予約をしてから伺いました。
長さ20~25センチの鈴ヶ沢なすを縦半分に切り、その間に挽肉を詰めてフライにした、ボリューム満点のメニュー。特徴の甘みともちもち食感が堪能できる一品です。
食後のデザートは、こまどりの湯に移動して、やぎミルクのソフトクリームを。
2014年にやぎを連れて売木村に移住された ご夫婦がいらっしゃいます。ソフトクリームを販売していた奥様とお話をさせていただきましたが、ゆくゆくはチーズなどの開発も村の特産品として取り組んでいきたいとのことでした。私はやぎチーズが大好きなので、待ち遠しいです。
ソフトクリームの後は、いよいよ鈴ヶ沢へ。売木からたった10分程度で到着です。
昨冬以来のおばあちゃん訪問。最近まで夏バテで入院されていたそうですが、飛び跳ねるほど元気な姿を見て安心しました。ご一緒してくれた和合の弓さんが「クボジュンが来てくれて嬉しかったんだなあ」と。私もとても嬉しかったです。
鈴ヶ沢は伝統野菜シーズン真っ盛り。おばあちゃんの畑を見せてもらいました。20日間も入院していたので、畑は荒れ放題になってしまったとおばあちゃんは言いましたが、今年も立派に育っていました。
おばあちゃんと鈴ヶ沢なす
鈴ヶ沢うり
鈴ヶ沢南蛮
梅漬け、みょうがの甘酢漬け、いんげんのごま和えなど、おばあちゃん手作りのお料理も、お茶を飲みながら、いつものようにおいしくいただいてきました。
伝統野菜を機に、山へ通うようになり、山の暮らしや山に暮らす人たちに触れ、本当の豊かさとは何なのか、考えるようになりました。入院中の食事は野菜が少なくて悲しかったというおばあちゃん。自宅だと自分の好きな味付けで思いきりたくさん野菜が食べられると。おばちゃんの笑顔を見ていると、山の中の日々の当たり前の暮らしの中に、幸せを感じることができたように思います。
こうした暮らしを守るために、私にできることは何なのか。常に考えながら、微力ながらでもお力になれたらと思います。
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2016.10.30
2016.10.29
2016.10.10